とんかつを磨いて半世紀
本題から外れる。西武池袋線の練馬駅を南口へ出る。千川通りを渡って、練馬銀座に入ったところに、とんかつで有名なとん陣があった。この9月30日まで。経営者は西野芳男さん。実は練馬小学校5、6年で同級生だった。未だに恩師の石丸哲夫先生を囲んで、年に一度のクラス会があり、顔を合わせている。ちょっと前、「もうきつくなったから、週末休み、あと週三の営業にしたんだ。夜も無し。ちょっと有名になっちゃった」と言っていた。へえ~と思っていた。とん陣へはたまにお昼を食べに行った。また、練馬で飲んでふらふらしている最中に、乱入したりしたこともあった。ご本人は一滴も飲まないから、乱入しても連れ出すことも無かった。とん陣は時々テレビに出ていた。特大のわらじとんかつに挑戦みたいな企画もあった。結構アイデアマンだったようだ。9月中旬、クラス会幹事役の増田隆彰さんから電話が来た。「フジテレビのプライムニュースに出るんだって。これが最後みたいなこと言ってたから、是非観てやってよ」と。了解。2、3日後、用事で練馬に行ったついでにとん陣をのぞいた。店に張り紙があり、「9月30日をもって閉店……。えっ⁉ そうなのか? 帰って来て、じゃ、一回は食べに行っておこう。うちの奥方と話ながら、昼に待ち合わせて、と。西野氏にショートメール。「知らなかった。近々、食べに行きます」。すぐ返信が来た。「うれしいけど、ずっと朝の9時半から行列ができていて、10時半には打ち止め状態。食べてもらうのは難しそうです」。えっ⁉ そんなに凄いことになっているのか。「営業時間外で特別貸し切りみたいなことでは?」と手を替えたメール。「お得意さんとか、世話になった人たちへの挨拶もあるので余裕がない。申し訳ない」と。1971年に23歳で開業。ほとんど半世紀を美味しいとんかつを突き詰め続けた。凄いね。また、クラス会で詳しい話を聴くことにしよう。ご苦労様。